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狩りをして暮らしていた人間は、その獲物の肉を食するだけでなく、革や角などその色々な部位を活用していました。しかしながら、人間にはどうしても食せない部分や部位がありました。また、大きな獲物を射止めたときには全てを食べきれなかったことも考えられます。このように人間によって利用されない、いわゆる『ゴミ』は人間の住居の周辺に捨てられることになります。実は、このゴミを目当てに人間に近づいてきたのが犬の祖先です。犬の祖先たちは始めは夜こっそりとこのゴミに近づき食べ物をあさっていましたが、人間が自分たちに危害を与えないことを知ると徐々に大胆に人間に近づくようになりました。
一方人間も、放っておいたら腐敗して悪臭を放ったり、病原菌の繁殖にもつながったりする『ゴミ』を処理してくれる犬の祖先の存在を大変ありがたく思うようになりました。 |
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この頃の人間にとって、夜は一番の恐怖でした。真っ暗な闇の中で見えない敵に怯えて暮らしていたのです。そんな人間の傍らでゴミをあさる犬の祖先は、その鋭い嗅覚や聴覚を活かし、何者かが近づくと鳴いてその存在を知らしめ、時には唸って追い払うということを繰り返していました。これはもちろん、自分たちの食べ物を他のものに取られないようにするため、または自分を敵から守るためであり、決して人間を守るためではありませんでした。しかしながら、人間にとっては、犬たちのこの行動は、外敵の接近をいち早く教えてくれ、また時には撃退してくれるという非常に好都合なものでした。 |
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前述したように、犬には人間にはない優れた能力が備わっています。そうです、その聴力や嗅覚は人間のそれとは比べものにならないくらいのレベルです。
そのころ、狩りによって生活していた人間は、獲物を探すためにはただひたすら歩きつづけたり、待ち伏せしたり、非常に効率の悪い狩猟を行っていました。そんな人間にとって、見通しの聞かない森の中や暗闇でも、臭いと音により獲物を見つけ出し、その俊敏性と持久力で追跡をする犬の能力はたいへん魅力的なものだったに違いありません。もちろん犬たちには人間を助けるなどという意識は全くなかったでしょうし、人間の命令に従うこともなかったでしょう。しかし、狩りの後には必ず自分たちにもその分け前が与えられることを学習していくうちに、犬は人間との共同作業として、狩りを積極的に行うようになっていったと推測されます。
残り物の処理、用心棒、狩りのパートナーと、犬は徐々に人間の生活には欠かせない存在となっていきました。そして、人間もこの自分たちにとって非常に都合のいい生き物をより使い易くするための工夫を始めます。つまり、成長して野生での生活が身についてしまっているものではなく、子どもの時から自分たちで餌を与え育てるということを始めたのです。そして、その中でも、比較的自分たちの命令に従う従順なものだけを残すようになりました。こうして『犬』という動物が作られていったのです。
そして時代が流れると、人間は狩りの生活から、家畜を育てそれを食用にするという牧畜や、植物を種から育て実を収穫して食べるという農耕の生活にうつっていきます。これとともに、それまで『狩りのパートナー』として活躍していた犬も、その求められる役目が多様化してきました。牧畜という場においては、家畜を野生のハンターから守ったり、家畜の誘導を行ったりする能力を求められました。また、人間を外敵から守るためだけの番犬としての能力を求められるものも出てきました。そして、狩りにおいては、より高い能力を求められ、猟犬としての資質をさらに磨いていきました。そのようなことが、『犬種』の始まりだと考えられています。 |